エージェント6社比較|案件数とリモート率は※で測り方が違う【フリーランスエンジニア向け】

グラフや数表が表示されたノートパソコンと、手前に置かれたノートとペン 単価・契約
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の契約に関する判断は弁護士または所轄の窓口にご確認ください。

エージェントの比較記事を何本か読んで、どこも同じ会社が同じ順番で並んでいることに気づきました。案件数とリモート率の欄を見比べても、数字の桁が違いすぎて、何を根拠に「多い」と言っているのかが分かりませんでした。

そこで各社の公式サイトを開いて、数字の横にある「※」の注記だけを読み比べました。分かったのは、案件数もリモート率も、会社ごとに数えているものと時点が違うということです。比較表に横並びで置くと、比べているように見えて比べられていません。

先に結論

  • 「案件数」は各社で数えているものが違います。公開案件の件数、累計の案件数、年間の契約数、閲覧時点の表示件数が混ざっていて、時点もばらばらです
  • 「リモート率」も分母が違います。参画した人のうちの割合か、利用者のうちの割合か、公開した案件のうちの割合かで、同じ90%でも意味が変わります
  • 公式サイト同士で揃えて比べられるのは、運営会社と許可番号、利用料、拠点、保障の条件、支払サイトの記載があるかどうかでした
  • 支払サイトを公式サイトに書いているのは、調べた6社のうち1社だけでした。書かれていない場合、フリーランス法の上限(受領日から60日)と再委託の例外を前提に、面談で確認することになります

「案件数」は数えているものが違う

6社の公式サイトに載っている数字と、その横の注記を並べます。

エージェント 公式サイトの数字 ※の注記
レバテックフリーランス 案件数110,000件以上 2026年3月時点、レバテックフリーランスに現在掲載されている案件数
Midworks 公開案件25,000件以上 2026年3月時点、全国エリアの場合
ギークスジョブ 年間契約数20,709件 2025年4月〜2026年3月末の実績
ポテパンフリーランス 1,227件 閲覧時点の案件一覧の表示件数(時点の注記なし)
ITプロパートナーズ 利用企業数5,000社以上 時点の注記なし(案件数の記載は見つけられず)
クラウドワークス テック 案件数の記載は見つけられず —

レバテックの110,000件は「現在掲載されている案件数」で、公開・非公開の区別の説明はありません。Midworksは「公開案件」に限った数字です。ギークスジョブは案件数ではなく1年間に成立した契約の数で、ポテパンは案件検索のページに出ている件数です。

つまり110,000と25,000と20,709は、同じものを数えた結果ではありません。比較記事はこれを1つの列に並べますが、公式サイトの注記を読む限り、大小を論じられる数字ではありませんでした。

「リモート率」も分母が違う

リモート案件の割合も、注記を読むと条件がまったく違いました。

エージェント 数字 分母と条件
レバテックフリーランス リモートでの参画率91%以上 2023年4月〜2024年4月に、フルリモート・リモート案件に参画したWeb・アプリケーションエンジニア、週5稼働の場合
クラウドワークス テック 利用者の90%がリモートワーク案件で稼働 2025年1月末時点
Midworks リモート・常駐の比率をグラフで掲載 2026年1月〜5月に公開した案件

レバテックの91%は「参画した人」が分母で、しかも職種と稼働日数で絞った条件付きの数字です。クラウドワークス テックの90%は「利用者」が分母です。Midworksは人ではなく「公開した案件」が分母です。

案件のうちリモートが何割あるかと、参画した人のうちリモートで働いている人が何割いるかは、別の数字です。同じ「90%前後」でも、答えている問いが違います。地方に住んでいて「リモート案件が多い会社」を探しているなら、見ることになるのは案件が分母の数字のほうで、それを公式サイトに載せているのは調べた範囲ではMidworksだけでした。

揃えて比べられるのは会社概要と契約の条件

数字が比べられないなら、何で比べるか。公式サイト同士で同じ形式で確認できたのは、次の項目でした。

運営会社と許可番号

エージェント 運営会社(設立) 許可番号(有料職業紹介/労働者派遣)
レバテックフリーランス レバテック株式会社(2017年8月1日)。株主はレバレジーズ株式会社 13-ユ-308734/派13-308125
Midworks 株式会社Branding Engineer(2022年9月20日)。株式会社TWOSTONE&Sonsのグループ会社 13-ユ-315367/派13-316707
ギークスジョブ ギークス株式会社(2007年8月23日)。東証スタンダード上場(7060) 会社概要ページでは確認できず
ITプロパートナーズ 株式会社Hajimari(2015年2月26日) 13-ユ-307288/派13-306091
ポテパンフリーランス 株式会社ポテパン 確認できず
クラウドワークス テック 株式会社クラウドワークス(2011年11月11日) 13-ユ-313424/派13-306556

許可番号を載せている4社は、有料職業紹介と労働者派遣の両方の許可を持っています。つまり同じ会社が、正社員の紹介も、派遣も、フリーランスへの業務委託も扱えます。「エージェント」という呼び名は同じでも、自分がどの契約で入るかによって、適用される法律と支払期日の規定が変わります。この違いはエージェントのマージンはなぜ分からないのかの記事で条文ごとに整理しています。

利用料・拠点・保障

利用料は6社とも無料でした。レバテックは「サービスは全て無料でご利用いただけます」、Midworksは「利用料金は一切かかりません」、ギークスジョブは「エントリー、案件紹介に至るまですべて無料」、ITプロパートナーズは「本サービスの利用料金は無料です」、ポテパンは「登録・案件紹介・成約・すべて無料です。中間マージンや紹介手数料はいただきません」、クラウドワークス テックは「サービスはすべて無料でご利用いただけます」と、いずれも公式サイトに明記があります。差が出るのは拠点と保障のほうです。

エージェント 拠点・対応地域 保障・サポートの記載
レバテックフリーランス 東京・札幌・名古屋・大阪・広島・福岡に拠点 記載を見つけられず
Midworks 東京・大阪・名古屋・福岡にオフィス 案件が途切れた場合に報酬を60%保障(審査に通過するなど一定の条件あり)。福利厚生は有料のパッケージプラン(月額30,000円、月額単価から控除)への加入が必要
ギークスジョブ 東京・北海道・大阪・広島・福岡・名古屋に拠点 福利厚生プログラム「フリノベ」あり(内容の詳細は別ページ)
ITプロパートナーズ 東京・長野・大阪・沖縄・宮城に拠点 週2、3日の案件を扱っている旨の記載
ポテパンフリーランス 関東と大阪。愛知は今後サポート予定 専属の税理士・フィナンシャルプランナーによる手続きの手伝い。経験1〜3年でも可の記載
クラウドワークス テック 本社は東京、大阪に営業所 記載を見つけられず

利用料が無料なのは、職業安定法が、職業紹介で求職者から手数料を取ることを原則として禁じていることとも整合します。ただし業務委託の案件については、エージェントが企業から受け取る額と自分に支払われる額の差が「手数料」に当たり、その率を公表する義務はありません。「無料」は自分が別途払う金額がゼロという意味であって、差額がゼロという意味ではありません。

保障は、書いてある会社の文面をそのまま読むことになります。Midworksの60%保障は「審査に通過するなど一定の条件を満たしていただく必要があります」と注記されていて、登録すれば自動で付くものではありません。同社の福利厚生も、無料の会員登録とは別に「パッケージプランは有料のオプションサービスです。ご利用の際には、月額30,000円をご負担いただきます(月額単価から控除されます)」と書かれています。

支払サイトを書いているのは1社だけだった

報酬がいつ振り込まれるかは、資金繰りに直結します。ところが公式サイトに支払サイトを明記していたのは、調べた6社のうちMidworksの「20日サイトが弊社の一般的な支払いサイトでございます(案件によって異なる場合もございます)。」だけでした。他の5社は、トップページ・サービス紹介・よくある質問の範囲では見つけられませんでした。

書かれていない場合の前提になるのが、フリーランス法の支払期日の規定です。

特定業務委託事業者が特定受託事業者に対し業務委託をした場合における報酬の支払期日は、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、当該特定業務委託事業者が特定受託事業者の給付を受領した日(中略)から起算して六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

出典:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律 第4条第1項

上限は受領日から60日です。ただしエージェント経由の案件は、企業からエージェントへの業務委託をフリーランスに再委託する形になることが多く、その場合は同条3項により、再委託である旨・元の発注企業・元委託支払期日などが明示されていれば、元委託支払期日から30日以内が支払期日になります。企業からエージェントへの支払いが遅い案件では、受領日から60日を超える支払サイトでも違法ではありません。

面談で確認することになる3つ
①契約の相手は誰か(エージェントとの準委任か、企業との直接契約か)②支払期日は受領日から何日か③再委託の案件なら、元委託支払期日はいつか。3つ目が明示されていない再委託は、第1項の「受領日から60日」に戻ります。

実務としてどう選ぶか

1. 数字の欄は注記ごと読む

案件数・リモート率・平均年収は、注記の時点と条件を確認してから読むことになります。Midworksの平均年収840万円は「2022年5月中の参画決定案件で12ヶ月稼働した場合」、ギークスジョブの906万円以上は「ギークスジョブ経由で関東エリアの案件に参画している人の平均月報酬額(税込)を基に12か月稼働で算出、2026年3月時点」という注記付きで、時点が4年近く違ううえ、片方は関東エリアに限った数字です。条件を揃えた数字は公式サイトにはないので、比較記事の順位はそのままでは使えませんでした。

2. 自分の条件で先に絞る

公式サイトの記載で機械的に絞れるのは、拠点と地域、稼働日数、経験年数の3つです。関東・関西以外に住んでいるなら、拠点の一覧に自分の地域があるかを見ます。週2〜3日で探しているなら、その稼働日数の案件を扱うと明記している会社(ITプロパートナーズ)から当たることになります。経験が3年未満なら、その旨を書いている会社(ポテパンフリーランス)が候補に入ります。

3. 2社以上に登録して提示額を並べる

マージン率が公表されない以上、自分に効くのは提示された報酬額です。1社の提示額だけでは、それが高いのか低いのか判断する材料がありません。同じスキルでも、エージェントが扱う案件の領域と企業側の予算帯が違えば提示額は変わります。

Midworksを公式サイトで見る→

報酬保障サービスあり(契約単価の60%・審査あり)

もう1社並べる相手としては、クラウドワークス テックがあります。IT・エンジニア特化のエージェント・求人紹介サービスで、利用者の90%がリモートワーク案件で稼働しています(2025年1月末時点)。登録は無料です。

クラウドワークス テックを公式サイトで見る→

登録無料 ・ IT・エンジニア特化 ・ 利用者の90%がリモートワーク案件で稼働

提示額が出そろったら、単価50万円の手取りの記事の積み上げで手元に残る額を出し、単価交渉のタイミングの記事で更新日から逆算する、という順番になります。

まとめ

  • 「案件数」は公開案件・累計・年間契約数・閲覧時点の表示が混ざっていて、時点も違う。横並びの比較表では大小を論じられない
  • 「リモート率」は参画者・利用者・公開案件のどれが分母かで意味が変わる。案件が分母の数字を載せているのは調べた範囲ではMidworksだけ
  • 揃えて比べられるのは運営会社と許可番号、利用料、拠点、保障の条件、支払サイトの記載の有無
  • 許可番号を載せる4社は有料職業紹介と労働者派遣の両方の許可を持つ。自分がどの契約で入るかで適用される法律が変わる
  • 支払サイトを公式サイトに書いているのはMidworksの「20日サイト」だけ。他社はフリーランス法4条の上限(受領日から60日、再委託の明示があれば元委託支払期日から30日)を前提に面談で確認する
  • マージン率は公表されないので、2社以上に登録して提示額を並べるのが実利になる

あわせてどうぞ

「エージェント」に派遣・職業紹介・業務委託が混在していて法律が変わる話はマージン開示の記事に、相場の数字がどこから来ているかは単価相場の記事にまとめています。

この記事で参照した一次情報

本記事は2026年9月時点で上記の一次情報を確認して書いています。各社の数字・注記・拠点・保障の条件は公式サイトの記載をそのまま引いたもので、記載は予告なく変わります。「記載を見つけられず」「確認できず」は、確認した時点で該当ページに見当たらなかったという意味であり、制度やサービスが存在しないという意味ではありません。エージェントごとの契約形態や支払条件は案件ごとに異なるため、個別の判断は契約書と各社の面談でご確認ください。

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