本記事はアフィリエイト広告を含みます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。労務や契約の個別の判断は社会保険労務士・弁護士または所轄の労働基準監督署にご確認ください。
「エンジニア 副業 案件」で検索すると、候補にインフラ・ネットワーク・QA・フロントエンド・webと職種名が並びます。「インフラエンジニア 副業 土日のみ」「ネットワークエンジニア 副業 週1」まで出てくるので、職種によって副業のしやすさが違うのではないか、という疑問が検索の形に出ています。
この記事では、エージェント1社の公開案件2,238件を職種別に全件数えて、フルリモートと出社の比率、週5日だけの案件の比率、週2日以下で始まる案件の比率を並べます。そのうえで、インフラとネットワークの副業が「夜間・休日の保守作業」になりやすい構造を、労働基準法の条文で押さえます。土日副業の労働時間の扱いは土日副業の記事、案件の探し方は副業案件の探し方の記事で書いているので、この記事は職種の差に絞ります。
先に結論
- ITプロパートナーズの職種別ページの全案件(6職種2,238件、2026年9月11日時点)を数えると、インフラはフルリモート65%・出社寄り10%で、QA・フロントエンド・サーバーサイド・SRE(フルリモート72〜76%)との差は1割程度でした。出社寄りがフルリモートより多いのはネットワーク(28件中9件対7件)だけです
- 週2日以下で始まる案件は、どの職種も総件数の4〜8%(ネットワークだけ28件中5件で18%)です。インフラは406件中29件で7%でした。副業として受けられる形の案件が少ないのは、インフラに限らず全職種に共通です
- インフラ・ネットワークの副業は、常駐先の本番作業が業務時間外に集中するため、夜間・休日の保守を雇用契約で受ける形になりやすい構造です。雇用契約なら本業と労働時間が通算され(労働基準法38条1項)、午後10時から午前5時の労働には2割5分以上の深夜割増(37条4項)が付きます。業務委託ならこの通算はありません
職種別に全件数えると、インフラのフルリモートは65%で他職種と1割差
エージェント6社のうち、職種別の案件一覧を公開していて、案件ごとに「働き方」と「週稼働」が読めるのはITプロパートナーズでした。職種別ページの全ページ(1ページ40件)を開いて、案件ごとの働き方と週稼働の表記を数えました。
| 職種(総件数) | フルリモート/出社寄り | 週5日のみ/週2日以下で始まる |
|---|---|---|
| インフラエンジニア(406件) | 265件 65%/42件 10% | 188件 46%/29件 7% |
| ネットワークエンジニア(28件) | 7件 25%/9件 32% | 13件 46%/5件 18% |
| SREエンジニア(178件) | 128件 72%/11件 6% | 70件 39%/7件 4% |
| サーバーサイドエンジニア(37件) | 28件 76%/4件 11% | 21件 57%/3件 8% |
| フロントエンドエンジニア(1,405件) | 1,025件 73%/102件 7% | 602件 43%/90件 6% |
| QAエンジニア(184件) | 134件 73%/13件 7% | 84件 46%/15件 8% |
出典:ITプロパートナーズ 職種別案件一覧(2026年9月11日閲覧、全ページ集計)。「出社寄り」は働き方の表記が「出社」と「基本出社一部リモート」の合計で、「基本リモート一部出社」(インフラ89件など)はどちらにも入れていません。働き方欄が空の案件(インフラ3・QA1・フロントエンド12・SRE1)と、ネットワークで週稼働の表記がない2件は該当の指標から除外。案件は日々入れ替わります
2つのことが読めます。1つ目は、出社寄りの案件がフルリモートより多いのはネットワークだけで、インフラのフルリモートは65%と、他の4職種(72〜76%)より1割ほど低いだけだということです。ただし、新着順の先頭40件だけを見ると、インフラは出社寄り14件・フルリモート15件で、出社寄りが35%を占めていました。全件の10%に対して新着に出社案件が集中していて、一覧の先頭だけ見ると「インフラは出社ばかり」に見える構造です。2つ目は、週2日以下で始まる案件がどの職種も総件数の4〜8%(ネットワークは18%)で、総件数の多さと比例していないことです。フロントエンドは1,405件中90件、インフラは406件中29件でした。
案件のタイトルに「副業」と書いてあったのは、2,238件中フロントエンドの1件だけで、働き方欄に「平日夜・土日」と書いた案件も全件でフロントエンドの1件でした。新着40件の本文(求めるスキルや備考)まで読むと、フロントエンド1件(「副業からの参画も歓迎」)とサーバーサイド2件(「フルリモートで副業的に参画可能」「副業参画可能な情シス案件」)が副業に触れていました。1社の一覧なので全体を表す数字ではありませんが、副業向けと明示された案件が全職種で数件しかないことは全件でも変わりません。
公的統計には、エンジニアの中の職種区分がありません。内閣官房の令和4年度フリーランス実態調査でも、職業は「情報処理・通信技術者」の1区分で、その内訳はありません。案件の形を職種別に見るなら、エージェントの一覧を数えるのが今のところ唯一の方法です。
インフラ・ネットワークの副業が「夜間・休日の保守」になりやすい理由
インフラとネットワークの案件が出社寄りになるのは、本番環境の機器や回線が常駐先にあり、切替や停止を伴う作業が業務時間外に組まれるからです。土日や夜間に作業する形は、副業の時間帯とは合います。ただしその作業は、常駐先の担当者の指示で、決まった時刻に、決まった場所で行うものです。この形は業務委託ではなく、指揮命令下の労働として雇用契約(アルバイト・派遣)で受けることになります。労働者派遣法2条1号は労働者派遣を「他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定め、派遣と請負の区分基準(昭和61年労働省告示第37号)は、始業・終業時刻や休日、作業方法を発注側が指示する形を請負とは認めません。
雇用契約で受けると、本業と労働時間が通算されます(労働基準法38条1項)。本業が週40時間なら、後から契約した副業先の労働時間は最初の1時間から時間外労働で、副業先が2割5分以上の割増賃金を払います。この整理は土日副業の記事で厚生労働省の通達とガイドラインから確認しました。夜間の保守にはもう1つ、深夜割増が付きます。
使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
つまり、夜間の切替作業を雇用契約で受けると、副業先から見れば時間外割増と深夜割増が重なる労働です。時給の提示がそれを織り込んでいるかは、募集文の時給と労働時間で確かめられます。一方、休日については労働基準法35条が「毎週少くとも一回の休日」を定めていますが、休日の規定は事業場をまたいで通算されないので、本業の法定休日に副業先で働いても本業の法定休日は確保したことになります。この点は厚生労働省のQ&Aで確認済みで、土日副業の記事に書いています。
もう1つ、常駐先で指示を受けて働くのに契約書だけ業務委託になっている場合は、ガイドラインが「請負であるかのような契約としているが実態は雇用契約だと認められる場合」として使用者責任を問う形です。インフラ・ネットワークの副業でこの形に当たったら、通算と割増の話は雇用契約として考えることになります。
QA・フロントエンド・サーバーサイドは、成果物型で業務委託になりやすい
フルリモートが7割を超える職種は、作業の単位が成果物(テストケース・画面・API)で、場所と時間を自分で決められる案件が多い職種です。この形は業務委託になりやすく、本業との労働時間の通算はありません。代わりに、発注側にフリーランス法3条の明示義務があり、業務内容・納期・納品先・報酬額・支払期日を着手前に揃える根拠があります。募集文に書かれる項目は副業案件の探し方の記事で公正取引委員会の規則から整理しました。
ただし、フルリモートでも週5日のみの案件が4〜6割(サーバーサイドは57%、SREは39%)を占め、週2日以下で始まる案件は4〜8%です。QAは184件中15件(8%)で、テスト実行を短期で切り出しやすい分だけ比率が高めですが、それでも1割に届きません。フロントエンドは総件数が1,405件と桁違いに多い一方で、週2日以下は90件(6%)です。件数が多い職種ほど副業案件の比率が高いとは限らない、というのがこの表の読み方です。
実務としてどうするか
1. 自分の職種の一覧を、働き方と週稼働で数える
職種別ページを開いて、案件の「働き方」と「週稼働」だけを数えます。新着順の先頭40件だけでは全件の比率とずれるので(インフラの出社寄りは先頭40件で35%、全件で10%)、絞り込みの「週稼働」で週1日・週2日を選んで件数を見る方が速く、正確です。インフラで週2日以下が406件中29件という状態なら、その職種の副業案件はエージェントの中に1割もない、と判断できます。案件が無いのではなく、案件の形が副業と合わない、というのが全職種に共通する読み方で、ネットワークはそれに加えて出社寄りが3割を超えます。
2. インフラ・ネットワークで副業するなら、雇用契約の条件を先に確かめる
夜間・休日の保守作業を受けるなら、契約は雇用(アルバイト・派遣)になる前提で、募集文の時給に時間外割増と深夜割増が含まれているか、本業の就業規則が副業の雇用契約を認めているかを先に確かめます。本業の会社は副業の労働時間を把握して通算する立場になるので、届出制なら申告することになります。業務委託で受けられる保守(監視設計・構成のレビュー・手順書の作成)なら通算の外で、こちらが副業に向く形です。
3. フルリモート帯の多い職種は、登録して非公開案件を見る
QA・サーバーサイド・フロントエンドのようにフルリモートが7割を超える職種なら、エージェントに登録して週2日以下の案件の有無を面談で確かめる意味があります。クラウドワークス テックは登録から参画まで最短3営業日、平均2週間〜1か月と公表していて、IT・エンジニア特化、登録は無料、利用者の90%がリモートワーク案件で稼働しています(2025年1月末時点)。副業的な案件は常時はないと自社で明言している会社なので、平日に週1〜2日の稼働を作れる人が、案件の有無を確かめる使い方になります。
登録無料 ・ IT・エンジニア特化 ・ 利用者の90%がリモートワーク案件で稼働
![]()
インフラ・ネットワークで独立を視野に入れるなら、週5日の常駐案件を基本とするエージェントが入口です。Midworks は公開案件25,000件以上(2026年3月時点、全国)に対して非公開案件が全体の80%と書いていて、案件が途切れたときの報酬保障(契約単価の60%、審査あり)があります。副業向けの会社ではないので、登録の意味があるのは独立の準備に入った人です。
報酬保障サービスあり(契約単価の60%・審査あり)
![]()
まとめ
- 1社の職種別ページを全件(2,238件)数えると、インフラはフルリモート65%・出社寄り10%で、QA・サーバーサイド・フロントエンド・SRE(72〜76%)との差は1割程度。出社寄りがフルリモートより多いのはネットワーク(9件対7件)だけ
- 週2日以下で始まる案件はどの職種も4〜8%(ネットワークは18%)。総件数(フロントエンド1,405件、インフラ406件)と副業案件の比率は比例しない
- インフラ・ネットワークの副業は夜間・休日の保守を雇用契約で受ける形になりやすく、本業と労働時間が通算され、午後10時〜午前5時は深夜割増2割5分以上(労基法37条4項)。休日の規定は通算されない
- 成果物型の職種は業務委託になりやすく、通算はない代わりに3条の明示を着手前に揃える。エージェントに登録する意味があるのは、フルリモート帯の多い職種で平日に週1〜2日を作れる人
あわせてどうぞ
雇用と業務委託で何が変わるかは土日副業の記事に、探す経路と3条の明示は副業案件の探し方の記事に、6社の数字の読み方はエージェント6社比較の記事にまとめています。
この記事で参照した一次情報
- ITプロパートナーズ インフラエンジニアの案件・求人・ネットワークエンジニア・SRE・サーバーサイドエンジニア・フロントエンドエンジニア・QAエンジニア(各ページの全案件2,238件の「働き方」「週稼働」を2026年9月11日に集計)
- 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)(第2条第1号の労働者派遣の定義「他人の指揮命令を受けて」を確認)
- 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示(昭和61年労働省告示第37号)(第2条第1号の、業務の遂行方法・始業終業時刻・休日を自ら指示管理することが請負の要件であることを確認)
- 内閣官房ほか 令和4年度フリーランス実態調査結果(Q5の職業の選択肢が「情報処理・通信技術者」の1区分で、エンジニア内の職種区分がないことを確認。2,119名)
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)(第35条の休日、第37条第4項の深夜割増「二割五分以上」、第38条第1項の通算を確認)
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定版。5ページ目の偽装請負の留保、12〜13ページ目の後から契約した使用者の時間外労働を確認)
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A(49ページ目の問1-16の答「休日に関する規定は通算されない」を確認)
- クラウドワークス テック よくある質問・Midworks(登録から参画までの期間、副業的な案件の有無、非公開案件の比率を確認。2026年9月11日時点)
本記事は2026年9月時点で上記の一次情報を確認して書いています。案件の件数と内訳は閲覧日の表示分で、日々入れ替わります。最新の情報および個別の判断は、各社の公式サイト、社会保険労務士・弁護士または所轄の労働基準監督署にご確認ください。

