住民税の均等割5,000円の内訳|1,000円は森林環境税という国税

木の机に置かれた電卓とペン・鉛筆、オレンジ色の封筒 確定申告・税金
この記事は約7分で読めます。

本記事はアフィリエイト広告を含みます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務判断は必ず税理士またはお住まいの市区町村にご確認ください。

住民税の納付書を見て、所得に関係なくかかる「均等割」が毎年5,000円だと思っていました。条文を確認したところ、5,000円のうち1,000円は住民税ではなく、森林環境税という国税でした。

金額の合計は変わらないので実害はありません。ただ、納税通知書の内訳を読めるかどうかの話としては、知っているのと知らないのとで差が出ます。住民税の基礎控除の記事を書いたときに確認した内容を、均等割だけ切り出して整理します。

まず、手元の納税通知書のここを見る

6月に届いた「住民税の税額決定・納税通知書」の税額の欄に、所得割とは別で定額の行があります(様式や欄の名前は市区町村ごとに違います)。

  • 道府県民税の均等割:標準税率なら1,000円
  • 市町村民税の均等割:標準税率なら3,000円
  • 森林環境税:1,000円。この行だけ住民税ではなく国税です

3行合わせて5,000円です。以下が「なぜそうなるか」です。

先に結論

  • 住民税の均等割の標準税率は合計4,000円です(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円。地方税法38条・310条)。「均等割は5,000円」と書かれた記事の数字は、条文どおりではありません
  • 残りの1,000円は森林環境税という国税で、市町村が住民税の均等割と併せて徴収しているだけです
  • 令和5年度までは5,000円の全額が住民税でした。東日本大震災の復興財源の上乗せ(500円×2)が令和5年度で終わり、入れ替わりに令和6年度から森林環境税1,000円が始まったため、合計は変わらないまま内訳だけが変わっています
  • 均等割がかからない基準は市区町村の条例で決まります。市区町村によって違い得るので、自分の市区町村の数字を見にいく必要があります。均等割がかからない人には森林環境税もかかりません
  • 納付書の内訳が1,000円・3,000円より多い場合は、都道府県・市区町村が独自に上乗せ(超過課税)しています

均等割は4,000円、上乗せの1,000円は国税

所得に関係なくかかる均等割の標準税率は、地方税法が道府県民税1,000円(38条)、市町村民税3,000円(310条)と定めています。合計4,000円です。

納付書の額が5,000円になっているのは、別の税金が上乗せされているためです。

この法律の施行地に住所を有する個人に対しては、この法律により、国が均等の額により森林環境税を課する。

出典:森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律 第3条

条文に「国が」と書かれているとおり、森林環境税は国税です。税率は1,000円(同法5条)。それが住民税と一緒に届くのは、市町村民税の均等割の賦課徴収の例により併せて行うと定められているからです(同法7条)。

内訳 金額 何の税金か
道府県民税 均等割 1,000円 地方税
市町村民税 均等割 3,000円 地方税
森林環境税 1,000円 国税

なお1,000円・3,000円は標準税率で、都道府県や市区町村が独自に上乗せ(超過課税)している場合は、納付書の内訳がこれより多くなります。

令和6年度に「500円×2」と入れ替わった

「昔から5,000円だったはず」という記憶は正しいのですが、内訳が違います。令和5年度までは、5,000円の全額が住民税でした。

東日本大震災の復興財源として、平成26年度から令和5年度までの10年間、道府県民税と市町村民税の均等割にそれぞれ500円が上乗せされていました(東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律 2条)。令和6年度にこの上乗せが終わり、入れ替わりに森林環境税1,000円の課税が始まりました(森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律 附則2条)。

〜令和5年度 令和6年度〜
住民税の均等割(標準税率) 4,000円+復興上乗せ1,000円 4,000円
森林環境税(国税) — 1,000円
合計 5,000円 5,000円

支払う側の負担は変わっていません。変わったのは「どこへ行くお金か」です。

均等割がかからない基準は条例で決まる

均等割には非課税の基準があります。地方税法295条3項は、前年の合計所得金額が「政令で定める基準に従い当該市町村の条例で定める金額以下」の人には均等割を課さないと定めています。基準を最終的に決めているのは市区町村の条例です。

政令(地方税法施行令47条の3)が示す算式は、基本額×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+10万円、同一生計配偶者や扶養親族がいる場合はさらに加算額を足す、というものです。基本額は35万円、加算額は21万円を上限に、生活保護の級地区分に応じた率を掛けた額を参酌して市区町村が条例で定めます。市区町村で違い得るので、自分の市区町村の数字を見にいく必要があります(松戸市は単身で45万円)。

似た数字に、所得割の非課税限度額(単身45万円)があります。こちらは地方税法の附則3条の3で決まっていて全国一律です。「45万円」という同じ数字でも、所得割と均等割で決まり方が違います。所得割と基礎控除の話は住民税の基礎控除の記事にまとめています。

そして、均等割がかからない人には森林環境税もかかりません。森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律4条は、前年の合計所得金額が政令で定める金額以下の人などには課さないと定めていて、松戸市の案内でも「個人市民税・県民税・森林環境税は非課税」と3つ並べて扱われています。

納期の日付も条例で決まる

住民税を自分で納める場合(普通徴収)の納期は、地方税法320条が「6月、8月、10月及び1月中において、当該市町村の条例で定める」とし、但し書きで特別の事情がある場合は異なる納期も認めています。

月は法律が示していますが、その月の何日が期限かは条例で決まります。「6月末・8月末・10月末・1月末」と覚えていると、実際の期限と1日から数日ずれることがあります。納付書の日付を確認してください。

まとめ

  • 住民税の均等割の標準税率は合計4,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円。地方税法38条・310条)
  • 納付書の5,000円との差の1,000円は森林環境税という国税(森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律3条・5条)。市町村が均等割と併せて徴収している(同法7条)
  • 令和6年度に復興財源の上乗せ500円×2と入れ替わったため、合計5,000円は変わっていない
  • 均等割の非課税基準は市区町村の条例(地方税法295条3項・施行令47条の3)。均等割がかからない人には森林環境税もかからない(同法4条)
  • 納期の日付も条例(地方税法320条)。「6月・8月・10月・翌1月」は月までが法律

均等割と森林環境税は納付書の額をそのまま払うだけですが、所得割のほうは前年の帳簿の数字で決まります。帳簿を会計ソフトでつけておくと、確定申告の所得がそのまま翌年の住民税の見込みに使えます。

freee会計を公式サイトで見る→

簿記の知識なしでも進めやすい ・ 無料お試しあり


マネーフォワードを公式サイトで見る→

仕訳の自動連携に強い ・ 無料お試しあり

あわせてどうぞ

均等割ではなく所得割のほう──基礎控除が所得税と住民税で違う話は住民税の基礎控除は43万円のままの記事に、翌年の住民税を見込んだ資金繰りは収入変動対策の記事にまとめています。

この記事で参照した一次情報

本記事は2026年9月2日時点で上記の一次情報を確認して書いています。記載した税率はいずれも標準税率で、実際の税率や納期、均等割の非課税の基準はお住まいの市区町村の条例によります。法令は改正されることがあるため、最新の情報および個別の判断は税理士または市区町村の窓口にご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました